虹ヶ咲のユニットライブを観てきた

2023年2月4日、「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 UNIT LIVE! ~A・ZU・NA LAGOON~」のDay1が、江東区の東京ガーデンシアターにて開催された。筆者は幸運にしてチケットを入手することができたので、観賞してきた。本ライブは、先日の政府の方針変更を受け、ラブライブシリーズの単独ライブとしては、コロナ禍以後初の声出し可能公演となった。記憶が薄れないうちに、日記として残したいと思う。

総評

本ライブは、シングルCD「Blue!」のドラマパートの続きの話となる、「A・ZU・NA LAGOON」の世界観を非常に大切にしながら、これまでのユニット曲の全てを詰め込むとともに、いくつかのソロ曲を組み込み、そして全体曲で締めるといった構成であった。まとまりのあるセットリストであり、全体としてはまさに「楽しい」をかき集めたようなライブであり、満足度は高かったといえよう。
…ソロ曲と全体曲については特にであるが、こういう記述でさらっと流すものでもないセットリストではあるので後々述べていきたい。
さて、本ライブから声出しが解禁されたわけであるが、多くの聴衆は探り探りの声出しであったように思うし、筆者もそうであった。概ねの感覚としては、アリーナ中央部から合いの手パートや、しばしば用いられるコールなどが発生し、それが徐々に全体に波及するような状況であった。それでも、後半になるにつれ慣れてきたのか、かなり盛り上がってきたように感じた。一方で、演者が読み上げる開演前注意事項に大声で返事をするオタクや、幕間アニメに大声でレスポンスをするオタクが少数存在したのもまた面白かった。ともすれば厄介行為に思われがちかもしれないが、少なくとも筆者の周りでは笑いが起こっていた。
また、舞台上の大道具の配置に非常に感心した。本年度末での降板が発表されている、演者の楠木ともり氏のパフォーマンスには制約があり、全体の中で一定程度は着座状態でのパフォーマンスが必要となってしまう。ところが本ライブでは、食卓を模したテーブルや、海底の地形をイメージしたと思しき舞台装置等を用意することにより、着座してのパフォーマンスによる不自然さが、完全とはいえないまでも解消されていた部分があったからである。

座席

上手側、見切れ席、第1バルコニーであった。そもそも本ライブは、さまざまな事情を受け、倍率は相当高くなっていたものと推察される。最速先行はCD1枚で当然のように落選。まあ、あまり「積む」という行為は好まないのではあるが。そこで一般抽選において見切れ席を第一希望として設定したところ、幸運にしてDay1のみ当選することができた。では見切れ席だと何が見切れるのか。視界の左側三分の一が、サブモニターの設置スペースとなり隠れてしまう。そうすると、まず上段ステージはほとんど見ることができない。また中央モニターについても、全く見ることができなかった。他方、演者との距離は、全ての座席の中で比較すると、近いほうに入るのではないかと思われる。また直上にスピーカーがあったのでまあまあな爆低音を味わうことができた。

入場まで

直前にお台場ゲーマーズに寄ったらとてつもなく混んでいてレジに30分並んだ。割とこれで狂った。「人としての形をお前が失う前に一目見ておきたい」と、友人オタクが見送りに来てくれたので心細さはあまりなかった。事前予約物販を引き取り、有明ガーデンのフードコートで少し休みつつ入場した。お台場までの交通手段はりんかい線を使い、以前購入した1日乗車券でりんかい線を乗り回したりした。この時はまさか、あのイルカが出てくるとは全く思わなかったのだが。
今回、入場ノベルティとして、「A・ZU・NA LAGOON プレオープンチケット」が配布された。

入場ノベルティ

これは、本ライブのもつバックグランドストーリーが以下のようなものであることに由来する。

A・ZU・NAランドに新エリア「A・ZU・NA LAGOON」が開業する。建設したはいいけれど宣伝を忘れてた。そこで同好会のメンバーと近隣住民を招待して、プレオープンをすることにした。

Blue!のドラマパート・幕間アニメその1の要約

こういった部分からすでに、ライブのもつ世界観が醸成されており、大変素晴らしいものであったといえる。少し焦ったのは、東京ガーデンシアターの入場列は、(有明ガーデンとの間にある通路から見て)建物の裏側で折り返すので、エスカレーターを上ってすぐ入れるわけではないという点だった。その時点で開演15分前だったので少し時間的余裕は少なかったかなと思う。

開演まで

開演前BGMやCMに対し、クラップや声出しが比較的多く見られた。思えば、このあたりである程度型はできていたのかもしれない。演者の読み上げる諸注意に対して大声で反応するオタクがおり、演者(おそらく前田だったと思う)すら笑っていたこと、またその影響かはわからないが演者が噛んでしまったことが印象的であった。

ライブの内容について

01. Infinity! Our Wings!!

1曲目はアニメ2期のシングルのこれ。正直、R3からの予想で、ここにBlue!が来ると思ってはいた。ただ、遊園地の世界観を考えたときに、特にイントロにファンファーレ的要素を含むこの曲が1曲目として採用されたことはいたって当然なのかもしれない。以後、ユニット曲パート前半の衣装はこの曲の衣装で、獣手はなかった気がする。ちょっと視力が足りなかったものであいまいではあるが。この曲については、1曲目ということもあり、曲終了後の声援を除きあまり声出しをすることはなかった。ともあれ、この曲を以てして、ライブがまさに始まったという感覚を得ることのできる1曲であった。これは全体的にそうであるが、音源と生声の重ねである部分が多かったように聴こえたのと、スピーカー至近であったために爆音だったので、盛り上がりこそすれ、歌のここがどうだったか、とかまで細かく思い出せない。

02. Dream Land! Dream World!

この曲が来たときに、「これはユニット曲は全部来る」と直感できた。筆者が最も好きなA・ZU・NA曲でもある軽快なこの曲。会場のボルテージを徐々に上げていくにふさわしい1曲であったといえよう。と同時に筆者はかなりブチ上がり、ブレードを全力で振った。惜しむらくは、この曲が序盤に設定されたこともあり、「悲しみに暮れてても(ともーりーDon’t Worry)」等の合いの手をいれた人が少なかったことであろう。やりたかったんだけどなあ。筆者もチキった。

03. Cheer for you!!

本格的なコール・合いの手のある曲がここでついに登場。サビのFo, Fooと、ユニット名コールがあったこの曲。正直ユニット名コールの1回目は入れませんでした。予習不足でしたね。でも2回目以降は入れたのでヨシ。こういった可愛げある曲もまた、A・ZU・NAの魅力の一つである。が正直なところこの曲は割とコールに必死だったような気がしている。

MC / コーレス

コーレスで叫べるんだよ!?ついに、「おかえりー!」だとかいろいろ言えるんだよ!!!こんなに楽しいことはないじゃない!!!ほんとに!それは会場のオタクみんなそうだったようで、ここにきて改めて声出し解禁を噛みしめた次第である。ここでは、A・ZU・NAを詰め込んだ、ジェットコースターのようなセットリストであることが前田(だったと思います)から述べられ、またともり(だったと思います)からは声出し解禁への喜びが語られた。このお二方は比較的イケイケドンドンな方向性を持っていたようで、その後の曲においてもしばしば観客席へコールを煽ることが多かった。またあぐぽんからは、「声出しが解禁にはなったけど無理はしなくて良い、個人のペースで声を出していけばいい」との発言もあり、オタクを気遣った点が見られて面白かった。一方であぐぽんはまた「こういうときはなんて言うんだっけ?」と、「お水おいしいー?」コールを煽ったこともあり、まあ自由人だなと思った。

04. Maze Town

これを入れたのも、またユニットとしての集大成を見せてもらえたように感じられ非常に良かった。まあまあ曲質がほかと異なるこの曲、それに合わせたステージの暗転、フラッシュを多用した演出は、正に楽曲の世界観を表現できていたものと思う。この曲は特に声を入れるところはなかったので、粛々と、しかしハキハキとブレードを振り続けた。オクターブの跳躍で演者の声が裏返ってたような気がするような、そうじゃないような。あとどれかの曲で前田が歌詞をど忘れしてた気がしたけど、これだったかどうかは忘れた。

05.ロマンスの中で

この曲を入れるのならこの場所。まさに解釈一致であった。比較的ゆっくりとしたこの曲は、ここまで4曲が元気・あるいは激しめの曲であったので、少し落ち着くタイミングとして配置されていたといえる。ブレードもゆっくりめに振って、かつコールもない形で、ちょうど良い緩急の付け方になったと思う。

06. Kakushiaji!

昨年末にサブスク解禁された特典曲。この曲は、先に挙げた着座による演出をうまく活用した例であるといえよう。ともりが(歌詞に合わせて)クソデカタバスコ瓶を持ってんのが結構ウケた。この曲は上段ステージが中心だったので、サブモニターでのカット割りにない部分が全くわからなかったのが残念だった。サビの「優勝!これは優勝!」は、派手にコールが入るであろうと予想したが、あまり声出しをしている人はいなかったように思える。私はやりましたよ。

07. Happy Nyan! Days

事前に「声出し解禁でオタクがにゃーにゃー言い出すのか?」と言われていたこの1曲。サブモニターには、キャラのイメージカラーを配した猫の後ろ姿の映像が映されるとともに、所定の位置で合いの手とすべき「にゃーん」が記されていた。こういった試みがあると、安心してにゃーにゃー言い出せるのでありがたい…のだが、筆者の周りはあまりにゃーにゃー言っていなかった。寂しいにゃ。この曲は、ともりが上段、ほか2人が下段にいることが多かったように思う。

幕間生首アニメ その1

内容の要約:A・ZU・NA LAGOONのプレオープンに同好会メンバーと近隣住民(=ガーデンシアターに集った8000人のオタク)を呼ぶから案内するよ。

ここの幕間を経てはじめて、「あ、だからプレオープンなんだ」と分かった部分。ここでは、シアター全体を縦方向に3分割し、下手側から順に歩夢・せつ菜・しずくのそれぞれが案内を担当する(チーム)という設定になり、そしてブレードを振ってキャラについていくという設定。一見まどろっこしいように思えるが、会場のブレードの色がきれいに3分割される様は客席から見ていても壮観であり、幕間アニメを利用し自然にこういった指示を出し、Liella!でいうStarlight Prologueのような客席を実現させたのは、うまくやったなと感じている。あとは、他ユニットのキャラのセリフに対し合いの手を入れるオタクがいてまあまあ笑いが起こっていた。

08.エイエ戦サー

ここからの第2幕はソロ曲ゾーンで、それぞれの曲の衣装でのパフォーマンスとなった。声出しOKの環境でぜひ聴きたかった1曲。それだけに、イントロが流れてきたときにはどよめいてしまった。当然この曲は「ホ戦サー」を入れる曲であることはオタク側も、また演者側も分かっていたので、しっかりとブチ上がることができた。ただ、ホ戦サー以外の合いの手がまあまあ難しかった。あとこの曲は、落ちサビのピアノ伴奏を”感じる”のもまた良いんだよな。これは、後で知ったのだが演者の素振り、これについてはっきり視認することができなかったのは若干の心残りである。この曲については、最後のMCでも前田が「ちゃんと言ってくれるかなって心配だったけど、ホ戦サーが聴こえてきてよかった」のようなことを言っていた。

09. CHASE!

今回のクソデカ感情曲。ソロ回しになったタイミングで、じゃあ何が来るのかということも頭の片隅に置きながら聴くわけだが、そこでせつ菜の曲で来たのがこのCHASE!。ロック調でありながら少し切なげな嬰ハ短調という調性、それに突き刺さるようなともりの歌声。裏返りながらも発せられる、確かに力のこもった、演者の強い意思の乗ったシャウト。この週末が氏の最後の優木せつ菜としてのライブであることも相まって、筆者も感極まってしまった。持ってて良かったライブタオル。この曲に限らず、おそらく無意識のうちなのかもしれないが、「楠木ともり as せつ菜」を強く感じさせるような、鋭い声質や音圧を感じる場面が今回のライブは多かったように思える。

10. Break The System

その極まった感をリセットさせてくれるのがこの曲である。この曲も、少なくとも歩夢の持ち曲の中ではもっとも曲質が硬い、あるいは激しいものである。ただただ激しくブレードを振り、そして曲を感じることで感情を引き戻すことができたのが、この曲であった。またそれに合わせたフラッシュ演出も良かった。ただ、音源のリマスタリングがちょっと微妙であるように感じた。その結果、演者の生歌との重ね合わせが、絶妙にボイスチェンジャーを使ったような感じになってしまっていたのが少し残念ポイント。あと、演者があまり合いの手を煽ってこなかったので、曲調に比して高まりの発散ポイントは少なかったかなと思う。もっとも音数が多いので、合いの手は不適なのかもしれないが。

11. Solitude Rain

ソロ曲がなんと2周目突入。モニターにはアニメ1期のMVが。演者の煽りとアリーナ主導でオイ!オイ!がたくさん入っていた印象が強かったが、この曲はそんなにオイオイする曲か?というのが筆者自身の感想。それでもまあ周りに合わせて声出しをしておくとまあまあ幸せにはなれる曲ですね。欲を言えば語りの部分はもうちょい静かに聴きたかったと思うが、これも音源とマイクのバランスの問題であったように思う。
(追記)どうやら、インターネットの情報を総合すると歌詞が飛んだのはここだったようで。

12.DIVE!

せつ菜2周目。この曲も、確かにクソデカ感情となりうるのだが、それ以上に演者が合いの手を煽り、そして全体が一丸となって盛り上がったので、ただひたすらに楽しくなることができた。少なくとも筆者が聞き取った限りにおいては、「まだまだ〜!!」「きこえないよ〜〜〜!?」等の煽りを客席に向けて飛ばしていた。それゆえに、オタク側もそれに精いっぱい応え、そして一体感、楽しい時間を味わうことができたといえよう。また、せつ菜ソロの曲順を見たときにも、CHASE!→DIVE!という順番で、クソデカ感情のまま終わらずに楽しく次のセクションに進めるようになっていたのではないかと思う。

13. Awakening Promise

歩夢2周目。ここにきて、アニメ1期のソロ曲準拠であることをやっと思い出す。これも演者に若干コールを呼び込んで欲しい、と思う面がなくもないが、それよりもダンス再現に集中していたような印象を受けた。あぐぽんの高音域、筆者は割りと好み。正直なところ、今回のライブではこの曲はあんまり印象が強くなかった面もある

幕間生首アニメ②

内容の要約:水漏れをオタクの力で直そう!いやでもやっぱり浅瀬があったほうが楽しいからちゃんとまじめに建設しよう!

このパートも、観客参加型であった。実はA・ZU・NA LAGOONに入園すると隠れた力が呼び覚まされるので、右手は万能工具になるし左手は鶴嘴になるのであった。byせつ菜。んなわけあるかい!チーム分けした色のブレードを振ることで、観客が工事をするのである。まずは水漏れをオタクの力で直したこの遊園地。しかし浅瀬がなくなったことにより、「お魚さんが干上がってしまったり(かすみ)」、「故障なのかな?(栞子)」などと思われてしまう始末。そこでまたオタクの力により新たに浅瀬を掘削することとなったのであった。このパート、生首アニメにおいて演者が「えいっ!えいっ!」と声をかけるのだが、声出しが解禁された影響で、オタクもまた「えいっ!えいっ!」と言うことになったのは面白かった。ところがこのパート、演者の別のセリフが入るとタイミングが取れなくなってしまうのだ。よって、戸惑いながら、「えいっ!」と言えたり言えなかったりするような状況であった。
余談ながら、lagoonの原義は、湾口などが砂州でふさがれてできた浅い水面を言う(weblio 百科事典)ので、ここでライブタイトルが回収されたといっても差し支えはないだろう。

14.Blue!

R3とは違い、最新シングルの表題曲をここまで引っ張る采配。思い返してみれば、遊園地が完成した、じゃあ次の曲はBlue!となるストーリー性には感嘆するものである。本曲はバックダンサーが6人?いた模様。そして曲中で客席に向け、放たれるシャボン玉の臨場感がとても良かった。このシャボン玉、比較的長時間にわたって放出され続けていたので、アリーナは結構濡れたんじゃないかなと思う。衣装は最新シングル衣装のものにここで着替え。この曲はCD音源においても、水中を意識したのか少し篭った音質のドラム、またある程度テヌート気味に演奏されるベースが印象的であったが、ガーデンシアターのスピーカーと非常にマッチしていたように思う。またこの曲も、着座での演出をうまく取り入れていたといえる。

15.Dancing in the Light

Blue!のカップリングの超高速のこの曲。Blue!ともども、声出し解禁前かつコロナ禍後の楽曲であるから、あまり合いの手を想定された設計ではなく、かつクラップ前提の設計であると考えられるので、ブレード振りがメインになった。個人的にはこの曲は裏拍のノリだと思っていたのに、だいたいのオタクが表拍に重点を置いていたので少し違和感があった。結果、倍速でブレードを振ることになったので、帰路ですでに筋肉痛になった。またこのあたりの楽曲から、生歌感が特に強くなってきたように思う。演者も思うところがあるのか、演者自身の特色を感じられる歌い方になっていたように感じた。これこそが、やはりライブ感といったところであろうと思う。

16.お願いPoker Face & お願い!Fairy

大西氏は終了後のMCでこう言ってました。それに対し前田曰く「めっちゃお願いするやん」と。この曲は、比較的テンポとしては落ち着いたものであり、幕間②〜MCの間での緩急の付け方として、この位置に配置したセットリストの組み方は大変素晴らしいといえよう。全体的にかわいい系の曲なので、それを感じとることのできる振りでよかったのだが、この頃になると演者の疲労も見えてくるのか、歌の方はお願いFairyというよりも頼むぞ七福神って感じだった。

MC

めっちゃお願いするMCはここ。ここではBlue!の衣装の披露と、3人並んで舞台セットに座って、「インスタ映えスポット」での記念撮影(のようなもの;配信映像には入っているのだろうか)。3人の暖かさ、そして面白さを感じることのできるパートであった。ハートつくる?つくらない?でわちゃついていたのが見ていて楽しかった。比較的ここも、サクサク進んでいた感覚がある。演者の「盛り上がってますか〜??」「まだまだいけますよね〜〜〜???」が、とてもライブ感があって良かった。

17.フォルクロア〜歓喜の歌〜

ユニット曲はこれで最後。A・ZU・NAは2/2拍子として解釈できる曲を多く持っている(11曲中4曲; DLDW, DiL, Kakushiaji!, フォルクロア)のだが、そのうち唯一表拍に重きを置いた作りがなされているのが、このフォルクロアである。それを意識してブレードの振り方を変えてみた…のだがアリーナのオタクは特にそんなことは思っていないらしい。この曲は、サビの「パリラ」「ピュアラ」を声出しで入れられたのでとても楽しかった。ユニット曲の回収の最後がこの曲であったこと、まさに「生まれてきてくれてありがとう」といった気持ちを得ることができた。

18.Love U my friends

ここから先は正直なところ、予習のヤマを外してしまったところだ。全体曲3つぐらいかな、というのは予想通りであったのだが、新しめの曲を持ってくると思ったのだが、比較的初期〜中期の曲が披露された。これは、終わった後にして思えば、現行A・ZU・NAとしては最後となってしまうので、かつての曲を再現するといった意図、また声出しのできなかった曲でのリベンジといった意図があったのであろうと納得できる。筆者のような新参にとっては多少厳しい面があったのは否めないところだ。

ここから先の曲は、たとえば「負けないよ!」等のコールが確立されていることもあり、会場のボルテージは最高潮になっていた。この曲では、客席照明点灯からの銀テ発射があり、やっぱり”良い”となった。

アンコール以外のセットリストではこれが最後で、「みんなありがとー」等述べながら、演者はそそくさと裏側に撤収。この曲の後、アンコール前は間がかなり長かった。声出し解禁であるので、当然「アンコール」と叫ぶ(後から聞いたところによると、ここでユニット名を叫ぶ風習もあるらしい)のだが、途中疲れてしまった。

19(E1). Just Believe!

「ジャースッビリー!!!(ブレード突き上げクソデカ声)」

すげえよこの曲。ガチ会場全部ブチ上がり過ぎて天井無くなるかと思った。コールについては予習不足だったが、頑張って2回目以降は入った。ジャスビリの声出し公演ってほかにあったのかと調べてみると、11月の猫屋敷でのブシロライブがあったそうな。分かんねーよ。だとしても、ヤマを外してもその場のノリでブチ上がって優勝する精神、これは大切にしていきたい。演者も、やはり最後だからか、パフォーマンスにもいっそう熱が入っていたように思う。

最後の挨拶

比較的あっさりしていた印象である。
ともりが「みんなー!会いたかったよー!」をやりたい、と述べたことに対しあぐぽん「沈黙する方?」と。これが面白かった。「沈黙したら帰るよ?」と返すともりとのやり取りに、かなりほっこりした。
あぐぽん曰く、「スクスタ12人VerのMVを”背負って”、披露させていただきましたJust Believe!」。これ、見切れ席からは残念ながらMVが見えなかった。けれども、歌声に違和感がなかった、すなわち他ユニットの分は録音で流し、ある意味完全体のジャスビリが披露された、ということになる。非常に感傷的になる演出…だったのだが、コール、今学ぶ!今学ぶぞ!と思いつつブチ上がってたので特にその辺は考えられなかった。退場後、帰りの電車で「あっ、そういえば。」となった感じだった。
また「これからのA・ZU・NA、そして虹ヶ咲をよろしくお願いします」とはともりの発言。最大限、言葉を選んだのかなあと思わざるを得ない。
最後にあぐぽん、「次で(本当の)最後となります」と。これに対しオタクは「え〜?」「やだ〜」の大合唱。するとあぐぽん、ヤダ(楽曲)のサビをまあまあ適当に歌い出す。ここかなり面白かった。

20(E2). TOKIMEKI Runners

最後これかぁ。CHASE!並にアカンすよこれは。最初に発表された曲を、アンコールの最後に持ってくる采配、確実にこれは諸々を意識したものであると言わざるを得ない。これも、歌詞としての合いの手ではなく、コロナ前に確立されていたコールを入れる曲であった。それゆえ、歴戦の強者である先達たちの声出しがとても強かった。字面だけ見ればこれもクソデカ感情曲となるのだが、実際のところはサビのFooとFuWaと、あとPPPHとか、その辺を入れるのに必死であった。キャストが煽ってた気もするけど煽ってなかった気もする。とにかくにも、筆者の感覚としては、会場の一体感、それが一番強く感じられたように思った。この曲が終わった後には、会場の各地から漏れ聞こえる「ありがとーー!」との叫び。筆者も少しだけ加勢した。

規制退場とりんかる

ダブルアンコールの願いも虚しく、袖から規制退場ニキが登場。そしてなんと奥から出てきたのは、あのりんかい線のイメージキャラクターである、りんかる。こりゃあおったまげたもんだ。

りんかるをデザインしたヘッドマーク付きの車両 (2023.1.14 東雲駅にて筆者撮影)

思わず「マジかよ」と声が漏れてしまったのと同時に、ブレードは栞子と果林に切り替えた。なぜそうなのかは、上記の画像に示した通りである。
なんでも、りんかる君、A・ZU・NA LAGOONの浅瀬に迷い込んでしまったんだとか。昨年末から東京臨海高速鉄道とのコラボ企画が進行している虹ヶ咲であるが、こういった形でライブそのものとのコラボが実現した点は、兼任オタクとしてはとても嬉しく思う。しかも、ライブの世界観を壊さずに、りんかる君を自然にステージに立たせることのできるストーリー性が非常によかったといえよう。

オタクたちの工事で、A・ZU・NA LAGOONの浅瀬が大きい川(汽水域だろどう考えても)になってしまった。このまま一気に全員が帰ると、川は渡れないだろう。でも、「お台場の海に住んいでる」りんかる君の案内があれば、無事に東京テレポート駅にたどり着けるだろう。だから、みんな規制退場に従ってね。

規制退場ニキ(要約)

このように、最後まで夢の国の世界観に浸らせてくれるのは、とてもいい企画だと感じた。規制退場順として、最初にりんかるのぬいぐるみを持っている人が「東京テレポート駅までりんかるの導きを受ける」ので退場可能になり、次に猫耳をつけた人が退場可能になった。どちらも実際に持っていた客がいて、現地では拍手喝采、英雄扱いであった。こんなんならテレポート駅でりんかる買ってから行けば良かったかなあ。

退場後 / フラスタ展示

まあまあ予想できたことだが、せつ菜・ともり関連のものが大半であった。特に、演者を含めたイラストを掲出したものが多かったように思えた。このようなイラストはクソデカ感情を抱かずにはいられなかった。個別具体的なものはSNSにたくさん上がっていると思うが、演者3人でありながらここまで多数のフラスタが並んでいる様は壮観であった。

フラスタと撮影待ちの列

おわりに

品川埠頭の分岐を右に曲がるとき、列車の揺れで人は夢の国から現実へと引き戻されるとされる。

11月初頭の衝撃的な発表からはや3ヶ月。いったいどんなライブになってしまうのか、聴衆は何を思うのだろうか。チケットの倍率はどうなるのだろうか。フタを開けてみれば、涙あり、笑いあり、ブチ上がりと、本当にジェットコースターのような、遊園地のようなライブであり、直前の声出し解禁も相まって心の底から楽しむことができ、大変満足した。これからも虹ヶ咲を応援していきたいと思う。


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