虹ヶ咲のユニットライブをふたたび観てきた

去る2月25・26日、「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 UNIT LIVE! ~DiverDiva GALactic Trip~」が、江東区の東京ガーデンシアターにて開催された。当初、旅行と日程が重なっていたこともあり、予算の事情等も考慮し参戦予定ではなかったのだが、チケットが3次先着販売により比較的余裕を持って手に入れられたこと、また旅行の日程を精査することにより開演までに開場に到着することが可能であることが判明したために、今回参加してきた。以下、感想を述べていく。

チケットとかアクセスとか

正直なところ、主に予算の事情から、参戦するかどうかについて大変悩んでいた。ところが、四国旅行へ同行したハロプロのオタクに何の気なしにこの話を振ったところ、「行ける現場は行った方がいい」という熱いエールを頂いたので、寝台特急のテンションも相まってチケットを購入したものである。もちろん、結果としては、こちらもまた大変満足度の高いライブであったので、チケットを購入したことは正解であったといえる。

また旅行からの直接のアクセスについて。
筆者はちょうどちょうど2月25日・26日において、土浦周辺で宿泊する旅行を行っていた。一方ライブの開演は16時であった。検索の結果、13時半過ぎの普通電車に乗車し、柏・新松戸・新木場経由で国際展示場に向かうことで開演に間に合うことが明らかになった。乗車券については、神奈川県横浜市の実家へ戻ることを考慮しルートを構築した。常磐・新松戸・武蔵野・京葉・東京・新幹線・品川・東海道・横浜線 と経路を構築することにより、幹在同一視の原則により、在来線のみの実乗車経路とすることができ、また発券時に新幹線経由を選択することにより、営業キロが100キロを超えた当乗車券は途中下車が可能となるうえ、学割適用も可能である。今回は、新木場および帰路の東京にて途中下車を行った。加えて、同一運賃帯において最長距離となる相模原まで切符を購入することで(表示の経路により139.5 km)、翌日限定ではあるが、予定されていた長津田経由での東急田園都市線への乗車および不測の用事に備えた。結局使い切ることはなかったが。

図.利用したJR切符。実家最寄り駅は察しがつくとは思うが念のため伏せる。


以上より、今回の参戦についての課題が解決されたのだった。

総評

前回の記事において筆者はこう述べた。

「A・ZU・NA LAGOON」の世界観を非常に大切にしながら、これまでのユニット曲の全てを詰め込むとともに、いくつかのソロ曲を組み込み、そして全体曲で締めるといった構成であった。
虹ヶ咲のユニットライブを観てきた

この「ユニットの持つ世界観を大切にする」という概念は、今回のライブにおいてもまた十分に活かされていたものであるといえる。「宇宙旅行」そして「ファッションショー」をテーマにした本ライブでは、開演前のスタッフによる陰アナウンスで「ご搭乗いただきありがとうございます」、また演者による陰アナウンスでは「注意事項が守られない場合地球にお帰りいただくことがあります(つまり退場)」と、引き続き世界観がしっかりと醸成されていたことが伺える。今回の入場ノベルティは、この世界観に基づき、「The Universe’s No.1 Space Supermodel Fashion Show Invitation TICKET」と称されるものであった。

図.今回の入場ノベルティ


一方、セットリストの観点では、DiverDivaのライブにおいても、これまでのユニット曲の全てを詰め込むこと、ソロ曲を2曲ずつ披露すること(なかでもアニメ挿入歌・4thアルバムを選択すること)、またいくつかの全体曲を入れるという構成は、「A・ZU・NA LAGOON」と同一視することができよう。
本ライブにおいて特に印象に残ったのは、低音、主にキックドラムを強調することの多い、EDM調の楽曲を多く含むDiverDivaのユニット曲が、東京ガーデンシアターの音響装置に良くマッチしていたことである。今回のライブの音響については、まさに「ny爆低音」という表現が最もふさわしいといえよう。その爆低音のなかで、演者の村上・久保田両氏の突き抜けるような歌声が聴けたことが、大変心地よかった。もっとも、久保田氏の地声は、MC時から推察するに、キャラクターである朝香果林よりも高めであるようで、ライブならではの音響のバランスではあったと考えられるが。
あわせて、レーザー光線やフラッシュを多用した演出、緞帳への映写、さらにはスモークや紙吹雪と、様々な趣向を凝らした演出は圧巻のものであった。さらに、2人ユニットであることから生まれる、接近・離反を繰り返すステージの演者のダンスの自由度の高さ、またキビキビとしたダンスパフォーマンスも見応えのあるものであった。本ライブでは上手・下手側に花道が用意され、これらもまたフル活用されていた。
さらには、キャラ同士、そして演者同士の1対1の関係性の進化を伺わせるダンス中の表情ややり取り、MCも注目すべきであっただろう。
総じて、本ライブは宇宙・あるいは近未来を十分に、極上の演出とともに味わえる、まさに総合芸術であったといえ、大変満足度の高いものであった。以下、各論を述べる。

第2バルコニーHブロック後列。チケットをギリギリに買ったこともあって、かなり後方になってしまった。やはり、第1・第2バルコニーともに、後方席は上部の圧迫感が強い。特に、ブレードを突き上げてしまうとそのまま天井に当たるので注意が必要であった。今回はスピーカー直下でなかったので、音響バランスは前回よりもよかった。また当該ブロックは他ブロックよりも傾斜がきつく、横浜スタジアムのスタンドと同程度であった。そのため前方観客が支障となることなくステージを見下ろすことができたのは良かった点である。また、上手側花道の直上であるので、当該箇所でのパフォーマンスをよく見ることができた。

楽曲

今回こそ簡潔に書きたい。

1. SUPER NOVA

1stシングル曲、背景映像は確かスクスタであった。1曲目がこの曲であったので、第1幕の衣装もこの曲の衣装となっていたが、肩出し含め露出が多めであり、ユニットの色気を早くも演出する楽曲となった。レーザー演出、重低音については総評で述べた通り。「MIRAI! NEGAI! ZIYU! ZIZAI!」および、「オーオーオーウォーオー」の部分の声出しの一体感がとても良かった。また当該箇所についてはメインモニターで歌詞の案内もあり丁度よかった。

2. Kiss the Sun

比較的落ち着いたこの一曲であるが、重低音の魅力が決してなくなることもなく引き続きスタイリッシュな演出・ダンスを楽しむことができた。また本ライブでは、この曲に限った話ではないが、演者が意識して歌詞の英語部分の発音を良くしていたように感じた。

MC・コーレス

コーレスは定まっているものに加え、宮下愛のコーレスについて、演者の村上が指揮し、「ハイ!ハイ!(中略/accel.)ハイ×3!」と追加部分が設けられた。曰く、「今日はやってみたかった」とのことである。また朝香果林のコーレスについては、至極当然の帰結とはいえ、演者の久保田と村上が下手花道でハグするシーンが見られた。その段階において、もともとの立ち位置であった上手花道からダッシュする村上が本当に尊かった。MCでは、村上曰く「”みゆたん(久保田の公式愛称)”でなく”みゆ”って呼ぶって今日は決めた」と。これは、キャラ間の呼び方を反映したものなのだろうか。あるいは、演者同士の関係性の進化を示しているのだろうか。またはその両者か。こういった部分に象徴されるような、後のMCでも語られる、2人ユニットだからこそ生まれる1対1の関係性こそが、DiverDivaの持つ特色であることは、言うに及ばないであろう。

3. Eternal Light

アニメ2期挿入歌であり、背景映像も同曲PV。この曲は、観客参加の声出しの観点からいえば3,2,1,DD! がポイントだったように思える。完全ではないにせよアニメPVとのシンクロ、そしてキビキビとしたダンスは非常に良かった。またこの曲は、特に重低音および光を用いた演出との相性が良い一曲であったように思う。超オレンジとロイヤルブルーのレーザーが織りなす演出は、特に見下ろす格好になる第2バルコニーより上の階層においては見応えのあるものであった。

幕間アニメ①

栞子率いる大銀河宇宙連邦のパトロール隊で働くDiverDivaの2人。宇宙が平和で暇だったところに、ヤーシブー星でファッションショーが行われるという情報がもたらされたので、出ることにしたようだ。そこ、新設校で発足した後輩スクールアイドルがいる場所だと思うんですけど。同好会の協力を得て55通りもの(!)特訓を重ね、ファッションショーに出ることにしたのであった。生首でファッションショーってどういうことだよ。今回の生首アニメは、前回ライブとは異なり視聴者参加型ではなかった。なかったのだが、特定のキャラが出るたびにキャストの名前を叫ぶオタクが点々と存在していた点については苦言を呈したい。ライブの世界観へ没入するための補助となる幕間アニメにおける過剰な声出しは、それの妨げとなると思ってしまった。

4. VIVID WORLD

ここからはソロ曲、アニメMVを背負った2曲が連続で披露された。この曲は久保田のキレの良いパフォーマンスが最も光っていた曲の一つといえよう。エレクトロな楽曲に対する音響が心地よかったとともに、高音部においては「久保田の歌声」を感じることができ、ライブ特有の良さがあった。またアニメ衣装についても注視するべきポイントが多かったといえる。

5.サイコーハート

こちらは宮下愛のソロ曲。イントロで溜めてからのアップテンポなこの曲にあわせステージを縦横無尽に駆け回るダンスパフォーマンスが印象的であった。またこの曲は、合いの手が多く(愛だけに?)、声出し参加の観点からも楽しい楽曲であったうえ、それを見据えた、楽しさをいっぱいに表現した村上の歌唱、ステージパフォーマンスは高まるものであった。特にサビ後半、「ハローハロー」のあとの声・クラップ4連打は、演者のリードもあり、一体感を得られた。
余談ながら、本楽曲のAメロにおいてはI→III(maj)のコード進行が用いられているので、若干エモーショナルな部分を併せ持つことは付記しておきたい。

6.恋するMagic!!

さて、後のMCで名指しされたこの曲。ファンミーティングに端を発する「ちゅっちゅちゅきちゅきらぶら(ぶ)りん」の流れを汲んだこの曲は、何といっても演者同士のパフォーマンス上での絡みが大変尊く、接近するたびに客席から歓声が上がっていた。で、この曲の落ちサビの辺りの出来事について。この演者同士のパフォーマンスを、双眼鏡を併用して楽しんでいた筆者であったのだが、その双眼鏡を一旦置こうとした瞬間である。

その際に久保田が村上を抱き寄せることもあり、ビックリといった村上は、直後に声がうわずってしまう一幕も。

DiverDiva村上奈津実 久保田未夢に抱き寄せられて声うわずる(Edge Line)

これ、双眼鏡を置いている間に発生して、周りの歓声で何かが起きたことに初めて気付く有り様。沼津旅行で流星群を寝落ちして全スルーしたとき並に「持っていない」筆者であった。それでも、その部分だけではない多くの接近パフォーマンスがあり、心は満たされた思いである。

7.ミラクル STAY TUNE!

全員曲について、「これが来たか!」というのは1日目のセットリストを確認したときの感想。「Yeah Yeah Yeah Wow Wow」を始めとしたコールの多い楽曲であるが、特に2番の「(想いは一つ、虹を咲かせに)に・じ・が・さ・き!」をコールできたことがよかった。また間奏台詞パートについてもDiverDiva専用パートが用意された。

宇宙から生放送中(ほうそ”うちゅう”)wwwww

宮下 愛 (CV. 村上 奈津実), ミラクル STAY TUNE間奏部

この曲は、かなりのおしゃべりである愛さんを擁するDiverDivaに丁度よいとに感じた。2人のみで間奏部分を持たせることができるのか、というのが見どころになるのだろうとイントロ時点では感じていたが、実際に聴いてみるとあっという間であった。もっとも、間奏最後で若干の打ち合わせミスか?台詞が重なってしまうところがあった。

なんかすげー幕間パフォーマンス

緞帳が下げられ、星座をモチーフにしたプロジェクションマッピングが投影。それとともに流れ出す、Off Vocal版のSUPER NOVAをはじめとした様々な楽曲。
しばらくして大量のスモークがアリーナに流れ込み、ロケットが打ち上がる演出が重なる。その間、BGMはさらに超爆音に。

あんまりにも爆音に。

この文字サイズぐらいのスケール感で爆音に。

爆音で身体全体を物理的に震わされたのは初めてかもしれない。ここにきてまた、図らずともガーデンシアターの底知れぬ音響を実感することとなったのだ。またスモークの量もえげつなく、アリーナほぼ全てを埋めるぐらいの量があった。上から観れば壮観であったが、実際アリーナの観客はどうだったのだろうか。
テトリス、モノクマを撃墜するらしいシューティングゲームの画面を挟み、勝ったのは愛さん。この部分の演出は、あんまりにも爆音であった点も含めて、まさに宇宙への旅立ちといった世界観に観客を引き込むものであり、空間作りを大切にしており、高く評価できるポイントである。引き込み方が物理的に強引ではあるが(?)。

8. Diabolic mulier

さきほどの演出で「勝者」になった愛さんの流れを引き継ぎ、そのまま4thソロ曲のこの曲へ。筆者はスクスタ未プレイ民なので、4thアルバムについては「なんか今までのキャラと違った色出す的なやつ」という認識をしている。本曲では当該曲に合わせた衣装への着替え、また激しいダンスが多めであったこれまでの曲とは異なる、ヌルヌルとした動きを中心としたパフォーマンスが特徴的であった。

9. Turn it Up!

これもまた4thで、果林さんにしては珍しいキャピキャピ系の楽曲。胸元に虹ヶ咲学園のマークの入ったさわやかな衣装に、背景映像はスクスタの1枚絵で果林がサックスを持っているものから始まった。衣装については、さほど露出が激しくないにもかかわらず久保田のプロポーションを強調させる仕上がりだったといえよう。また、もともとの久保田の地声が(果林より)高いためか、こういった楽曲でもさほど違和感なく歌えていたように感じた。他方、典型的アイドルソングに近いものでありながら合いの手を入れる場所については難しかった。
さて、楽器を含んだ背景映像であるが、この曲については以下のような背景があるようだ。

果林ちゃんが校内フィルムフェスティバルでお手伝いすることになったのは、映画研究部! そのテーマソングを、果林ちゃんが担当することに! 果林ちゃんが始めたのはサックスの練習!?

4thライブをもっと楽しもう♪ 朝香果林「Turn it Up!」誕生エピソード!

なるほど映画研究部で高校生がバンドを組む物語をやったというわけね。実質ぼっち・ざ・ろっく…というわけではなさそう、楽器編成的に。現地では吹奏楽部とかそっちかと思ったがそうではなかったようで。こういうところで中低音楽器に陽が当たることは、やっぱり少ないのであった。

幕間アニメ②

同好会のメンバーも駆けつけ、ファッションショーに出たDiverDivaの2人であった。DD2人がそれぞれの良さを見せ、特に愛さんが一発ギャグを入れつつ(っぽい描写があった)ステージに立つも、残念ながら優勝はできず。ところが雑誌に特集され思わぬ反響が。かくして、ファッションを広めるために****星(ここ聞き取れず)へと向かっていくのであった。話の流れとしてはまあまあ自然だったと思う。というかこの世界線の同好会はみんな宇宙旅行できるんか…

10. Fashionista

個人的に本ライブで最強だった曲がこれ。ファッションショーというテーマはこの曲のためにあったのか。強めのキックドラムに加え裏拍のクラップが組み込まれた、決してアップテンポではないが縦ノリとなるこの曲は、かねてから何回か述べているガーデンシアターの音響に正にふさわしく、またステージ全体を、ゆとりを持って闊歩する演者のパフォーマンスも素晴らしかった。衣装としてはShadow Effectの衣装であったが、キャラクターカラーをあしらったもふもふ(←調べたら「ファー」って言うらしい)を羽織っての登場、そして途中でステージ外に投げ捨てることで曲中での雰囲気のチェンジを実現していた点が印象的だった。

11. Shadow Effect

最新シングルの表題曲であるこの曲。特にコール部分が多いわけではないが、スモークと紙吹雪を活用した演出が圧巻であった。銀テープや紙吹雪は「ここぞ」という時に使うというやり方もあろうが、この曲のようにずっと紙吹雪やスモークを散らす演出もまた強いものであった。DiverDivaの各シングル表題曲に共通する事柄であるが、光・音の演出や演者のパフォーマンスについてはこの曲も安定したレベルの高さを見せてきていた。

MC②

ここのMCでは、MC①以降の各楽曲の振り返りが行われた。振り返りの前には、地球防衛隊的な格好をしたスタッフが、ステージ上の紙吹雪を掃除するシーンも見られた。これについて村上が「清掃員」と語り、「いやいや宇宙パトロールのね、人だから!」と久保田が返すシーンがあり面白かった。「ソロ曲と、全体曲と、やらせていただきましたけど」に続き、「恋するMagic!!」が名指しで言及され、例のハグシーンに関する解説が久保田から語られた。この場面については多くのメディアやSNSで語られている通りであるが、久保田がそこまで考えてパフォーマンスをしていたのかという点、逆にそれ以外の部分についてその場の雰囲気に合わせパフォーマンスをすることのできる点に強さを感じられた。またここのパートは「お水おいしい」を演者同士でやっていた。A・ZU・NAの大西といい、最近はこういった厄介コールを取り込むのが流行っているのだろうか?

12.未来ハーモニー

最初に(Day1の)セットリストを知ったタイミングでは、これやるんだ?って楽曲ではあった。が、この曲については実際に現地でメインモニターの映像を見ることで、その意味が分かった。1番こそYouTube等で公開されている初期のアニメMVであったものの、間奏あたりからはアニメ2期の映像を混ぜた新規編集版の映像であった。「あれ?ランジュいるじゃん?」となって筆者は気付いた。特に2期11話のシーンを用いた映像は、物語中でセンチメンタルになる果林と重ね合わせて感じることのできる演出となっていたのだった。良く考えられた映像編集であったと思う。

13.Fly into the sky

ここからの3曲は、いったん落ち着くゾーンとなるセットリストであった。夕暮れの浜辺をイメージした映像に、落ち着いた曲調の楽曲は、また違った雰囲気のDiverDivaを味わうにふさわしい楽曲であったが、その点では次曲の祭花のほうが個人的には好きだった。ここからの3曲は、階段へ座りながら歌唱する演出も特徴的であった。

14.祭花 -saika-

落ち着きゾーンの中で個人的に最も好きになったのがこの曲である。本曲では観客のブレードの振りが左右のウェーブ状になり、しみじみと楽曲を感じることができた。また打ち上げ花火をイメージしたモニターの映像も良かった。良かったがキャラロゴを出せる打ち上げ花火は相当花火師が頑張ったと思う。また、この曲については元々の音源ミックスにおいても、重低音を殺すことなく落ち着いた曲調を実現している。
具体的に述べれば、恐らくではあるがベースを伸ばし(付点4分音符以上)を中心にしつつ、通常の音のオクターブ下を足しているのではないだろうかと推察される。
サビで言えば、E2-F♯2-D♯2-G♯2の流れに、ほぼ同音量でE1-F♯1-D♯1-G♯1を足していることになる。
この元々の音源のもつポテンシャルが、ガーデンシアターの重低音の強みを潰すことなく、落ち着いた楽曲を浴びる感覚を実現しているものといえよう。

15.Love Triangle

落ち着きゾーンの最後の曲。宇宙をイメージした映像と歌詞が特徴的であるこの曲はどうやらサビで三角形に(Love Triangleの歌詞に合わせ)ブレードを振るのが正解らしい。周りが全員三角形に振っていたので、落ち着き曲の中でも割と一体感を強めに浴びられる曲であったと思う。

MC③

ここのMCには告知パートが含まれた。これまで参加したライブは全てDay1だったので、告知パートを筆者は人生で初めてみたこととなる。告知内容は、「にじいろTea Time」の表紙イラストと、よみうりランドコラボの実施およびキービジュアル公開。このパートはメインモニターのイラストが一番重要であったので、第2バルコニー後列の弱みが出てしまった。筆者は着席の上モニターを確認した。告知で公開された絵については、始終演者が、(DDメンバーに限らず)かわいいと評していた。ネコ耳がついている、というのは天王寺璃奈への言及だろうか?またよみうりランドコラボについてはDDメンバーの露出が激しい旨に言及していた。
告知パート以外では、ここまでのユニットライブの感想が語られる…と思いきや、村上からは久保田への思いがずっと語られた。久保田をして「ライブの感想言えばいいのにw」と言わしめていた程であった。要約すれば以下のような言及であった。

DDというユニットに決まり、当初はダンスのレベルも追いつかず、尊敬・畏敬の念がほとんどであったけれど、自身のレベルも上がりここまで来ることができて、やっと久保田の相棒としてふさわしくなってこれたという実感がある。そしてここの場所はもう他の誰にも譲らないという意気込みがある。積み重ねを経て、2人の関係性はこのようにして変わってきたものである。

この間、ライブ冒頭の「”みゆたん”ではなく”みゆ”と呼ぶ」という宣言にもかかわらず、何回か「みゆたん」と呼んでいて、最初に久保田が気付いた後は、言うたびに観客から指摘が入っていたのは面白かった。「これは例えで使ってるだけだからね!」とは村上の言い訳であった(笑)
他方、久保田はユニットの組み合わせが投票によって決まったことを引き出しつつ、村上の人となり、またこれまでの関係性を指し、「みんなに選んでもらってこの組み合わせができた」ことに対する感謝を述べていた。詳細については各種メディアにおいてもレポートされている通りである。

こんなにもかわいくて、面白くて、努力の塊の宮下愛役の村上奈津実をみんなからプレゼントしてもらったんだって。

久保田未夢 村上奈津実は「みんなからプレゼントしてもらった」 (Edge Line)

そして最終MCに特有の「まだまだ盛り上がれますかー!?」「ついてこれますよねー!?」およびそれに対する観客の応酬により締められ、最終幕へと突き進むのであった。

16. POWER SPOT!!

ここからは引き続きイケイケ系の曲が続くゾーンであった。この曲も本ライブにおいて再評価することのできた(というか、改めて知ることのできた)曲の1つであった。結構宇宙感ある高音パートを含む音源で割といいと思った。演出については、DiverDiva楽曲の安定感を改めて実感する曲だった(というか、この辺まで来ると特筆事項を忘れ始めてくる)。

17. THE SECRET NiGHT

この曲も安定感がある1曲であった。だいたい真ん中ぐらいに、ユニット名たる「DiverDiva」をコールする場面があるので、前後の楽曲と若干違ったテイストを感じることができた。あと、サビ前のエレクトロな中音で、一回空白を感じることができる楽曲であった。

18. TOKIMEKI Runners

通常プログラムの最後にこれを持ってくるのは、ある意味安定感(3曲連続3回目)のある解であろう。現地で浴びるのは2回目なので、それに応じてコールもしっかりすることができたうえに、隣のオタクが、コールいれる場所の前で「せーの」とか言ってくれたのでかなり助かった。全体曲の場合、2人ユニットであると人が減って音源がスカスカになる感はある程度否めないが、それを打ち消すような会場の一体感はとても良かった。また銀テープはこの曲の大サビの前で、掛け声とともに発射された。やはり銀テープが発射される瞬間は、観客として最高潮のテンションになりつつ、かつ少し感慨にふけるタイミングであるように思えた。

E1. Love U my friends

唯一のセトリ変更箇所らしい。アンコールのコールについては、「でぃー、でぃー!」派と「あんこーる!」派に二分され、筆者の周囲では前者が優勢であったが、出たり消えたりして、会場全体に広がるまでは比較的時間がかかった。そんなアンコール曲はLUmfで、やはりこの曲といえば「でぃあー、まい、ふれんず!」だったり「まけないよ!まけないよ!」だったりがポイントになってくる。A・ZU・NAライブに引き続き2回目の現地となるこの曲では、しっかりポイントを抑えて再履修することができたので満足が行った。また、歌詞の「虹がねえ見えたの」にあわせ、ステージ上の照明およびレーザー光線が徐々に虹色に照らされていく演出を再確認することができた。実際に肉眼で、なおかつ見切れていない状況で見ると感動する演出であった。

アンコール後MC

ここではLUmfの声出しに触れ、「みんなよくできている、声を入れて欲しいところできっちりと聴こえてくるからよかった」とのことであった。また、ライブが終わってしまうことが寂しいとの観客の反応に対し、「これからもにじたびとかあるから、来てもらって、そうするとまたこういった(ユニットライブ)形で会うことができるのではないかと思います」と、次回への含みを持たせてくれた。そして、「皆さんなら地球に帰っても楽しく過ごせるはずです」とのコメントもあった。そのコメントを胸に、思い出を持ち帰り楽しく生きていきたいと思った。

EN2. Shadow Effect (2回目)

MC曰く「最後はDiverDivaらしく、かっこいい曲で締めたいと思います」との言葉を受け、披露されたのが2回目のこの曲。スモークや紙吹雪、演出は2回目もまた健在であり、洗練されたパフォーマンスと音響という、本ライブの基盤となっている事項を改めて感じ取ることのできる最後の曲となった。そして退場時も2人仲良く、濃い関係性が伺えるやり取りを見せてくれた。

規制退場ニキ

これ、今回は個人的には若干解釈違い。未来ハーモニー with YOUに乗せ、2期11話の果林のセリフのオマージュ+ステージを虹色にライトアップ。意図はわからんでもないし、果林がいて且つ未来ハーモニをやったこのライブでしかできないネタだというのもわかる。だが、ここはあくまでユニットライブの、宇宙旅行の世界観の方に乗せて欲しかったと思う。たとえば宇宙服で来るとかだったら面白かった。本田博太郎も捜査一課長でやったんだからさ。筆者は会場内にいる間、これが2期11話のオマージュであることには気付かず、むしろニキの体格も相まって、「俺は規制退場をやめへんでー」というネタ振りにしか見えなかった。そして退場後にインターネットをチェックし、そこで初めて「ああそういうことだったんだ」と納得した次第である。ネタとしては多少分かりづらかったかなと思う。

フラスタ

前回より数こそ少なかったものの、2人ユニットであることを活かした対称性のあるデザインを用いたユニット全体への祝いを込めたものが多く、青とオレンジという対照的なメンバーカラーも相まって美しく魅せてくれるものが多かったように思う。

図.フラスタの一例

打ち上げ

今回、別席であったが知り合いの村上ファンのオタクが参戦していたので(しかも両日!)、声をかけて終演後に軽く打ち上げをした。利用した店舗は、会場至近のホテル「ヴィラフォンテーヌ東京有明」のビュッフェ、「All Day Dining GRANDE AILE」を利用した。ホテルビュッフェだけあって通常価格は4500円と少しお高め。ところが、ガーデンシアターの当日チケットを見せると3割引になるので、たいへんお得に、おいしいビュッフェ料理を楽しむことができるのだ。近隣の飲み屋に行っても3000円ぐらいはすることを考えると、ライブ後の疲れた体に、食べたいものをお腹いっぱい食べることのできるこの選択は良かったものと思う。牛ステーキがマジでおいしかった。にしては、このお店の観客からの知名度はあまり高くないようで、この日もかなりガラガラであった。オタクライブに行く層はこういう感じのところには行かない、というのはまあ分からないでもないが。なお、この村上ファンのオタクは勢いで、その場でチョクメに登録していた。そして、MCで述べていたパフォーマンスの成長を、サブスク配信のされている1stライブと比較することで正に実感していたようであった。

図.炭水化物ばっかり取ってきたビュッフェ

おわりに

勢いとテンションでチケットを取り参加したDiverDivaのライブであったが、アーティスト性も強く、洗練されたパフォーマンスと演出を極上の音響のもと楽しむことができ、大変満足することができた。「迷ったらチケットは買ったほうがいい」、これは真であった。引き続き、さらに虹ヶ咲を応援していきたいと思う。


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