九州・沖縄旅行記 5.北部周遊・本部と備瀬

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5日目の朝は本部町から。

画像中央の船は、実は前の晩から動いていない

やっと気温、天候ともに大幅な回復を見せ、厚着では時折汗ばむような陽気の日となった。

この日は宿で至極一般的な朝食を摂った後、まずは美ら海水族館へと向かった。
余談ながら前の晩、同行者がRustでyamlのパーサーを書いていた。趣味のプログラミングを沖縄でやるのは中々バイタリティの塊であると感じた。

道中、町内のローソンにて、入場が1950円となる割引券を購入し美ら海水族館へと到着。

この美ら海水族館は沖縄旅行の定番箇所であり、改めて筆者が解説するほどの場所ではない1だろう。逆にいうと、ド定番であるがゆえに、人生で一度は行っておきたい場所であり、旅程に必ず組み込むべき場所であったといえる。

朝一の午前9時過ぎに到着した

えいがさき作中においても、美ら海水族館は「Daydream Mermaid」のステージとして利用されるなど重要な立ち位置を占める観光地である。

伊江島を望む。このカットはえいがさきにもあったはず。

水族館はだいたい周遊型、もしくはだんだん降りる・上がるという導線を組むことが多く2、この美ら海水族館も降下型の導線が組まれていた。

ミラーレス一眼を手に入れ高感度撮影に強くなったこともあり、たくさんの写真を撮ることができて良かった。サンゴを前面に押し出すなど沖縄の特色を活かした展示であり、解説パネルには沖縄弁での呼び名も紹介されていた。

折しも当日は晴れており、太陽光が差し込む水槽作りに感動した…というのは実は思い込みで、水槽の上部が開放されていたので行って見ると、バリバリ照明で照らされていただけだった。

ミラーレスの画質を見てくれ!!
ブレはモザイク代わりということにしておいてください

道中、「美ら海シアター」という施設があった。現在は特に何かを上演しているわけではなく、休憩所兼水槽の別アングル観察場所となっていた。折しもジンベエザメが通過しているシーンを撮ることができた。Daydream Mermaidのステージは大水槽正面であるが、こちらの方が現実に即している気はしないでもない。最も、アニメ1期の頃から、虹ヶ咲は「ジャンル: ファンタジー」3とでも言うべき領域展開がMVにて繰り広げられていたわけではあるが。

この次の展示スポットは、サメ博士の部屋。近年、「博士の安売り」が様々な場所で目立つようになり、タイトルからして若干警戒したのだが、見たところこちらの統括の方は北海道大学で博士号を取られたとのこと。また年に数本のペースで(美ら海財団として)論文を出しており、れっきとした博士の部屋であった。疑ってかかってごめんなさい。

中には「人工胎盤」もあり、人工的なサメの生殖が試みられていた。学術的に素晴らしいのだが、一方で何かディストピア感を与える研究でもあると思った。

ポスター展示についても、しっかりとdoiが記載されており、理系大学を出ためんどくさい客に突っ込まれても対応できる抜かりのない展示であると感じた。

筆者は生物は専門外だが勉強になる展示が多かった。

サメ博士の部屋を出ると、名物である「黒潮の海」大水槽。

割りと水族館にはありがちな目玉の大水槽であるが、こちらがDaydream Mermaindの舞台(の一つ)である。まさに近江彼方が踊っている様子を感じ取れる…かというと実はそうでもない。やっぱり水中だし。

ところがそこから左方を振り返るとあら不思議。石嶺小糸が去っていく様子を感じ取ることができました。

ジンベエザメでけえ。

ちょうど到着した時間が、黒潮の海の上部開放の時間であったので、エレベーターで上がってみた。

巨大な水槽なので当然水の循環装置も大きく、メンテナンス用のキャットウォーク(というには太い?)や大型の照明は壮観であった。一方でブルーシートで養生されている場面が多いなど意外な一面も見せてくれた。

水族館にはえてして存在する深海コーナーであるが、生物の確保にあたっても専用の機械の開発、また水圧への順応の工夫のために加圧水槽を用意しているなど、生き物の展示にかける情熱というか自負を感じられた。

生物発光のコーナーをみて同行者が一言。「よく紫外線当てようって発想になったな」と。

出口には、この時期限定のホエールウォッチングに関する掲示があった。誰かのMVで(ランジュだったかも)クジラの描写があり、時期も含め良く考えられているなと思った。

つづいて、海洋博公園の敷地内にある熱帯ドリームセンターへと移動。こちらは、赤嶺天とエマ・歩夢が出会ったシーンの場所となっている。そのほか彼方のMVにもちょびっと登場。

彼方ちゃん多分ここ

当日は沖縄国際洋蘭博覧会仕様の展示となっており、コンテストへ出展された作品が多数展示されていた。

熱帯ドリームセンターといえば、この丸いヤツ。赤嶺天が三線を弾いていたのはここである。そしてこちら。

この赤レンガの通路が、歩夢・エマが三線の音を聴いた場所である。この熱帯ドリームセンターでは聖地巡礼民と数多く遭遇し、こちらの場所でもぬいぐるみをベンチに置いて写真撮影をしていたファンがいた。それだけコンテンツツーリズムがメジャーということだろう。

外では、こちらもこの時期限定のチューリップの展示。しかし展示説明には「球根は寒いところでないと育たない」とのことで。無理して持ってくる必要はあるのだろうか?と疑問に思った。あとで映画を見直すと、確かにここの場面ではチューリップが描写されており、合ってはいるのだが。

こちらは正午ごろに離脱し、引き続き至近距離にある備瀬集落へと向かった。あいにく無料駐車場は満車であったので300円課金し駐車。並木の案内図をもらったがそれはそれとして聖地巡礼など。

昼食は「フクギ屋」にて沖縄そば。こちらはアニメ「呪術廻戦」の舞台になったお店でもあり、こうしてみると沖縄の観光名所はしばしば作品の舞台とされていることが分かる。

お隣小の方、ニンニク入れますか?

あぐー豚のスタミナそば(的な名前のヤツ、1300円)をここでは頂いた。「二郎じゃん」との同行者の一言が、私のジロリアン魂に火をつけた。

コショウとニラの風味が食欲を刺激するとともに、本土の二郎のかたまり豚とは違った、薄切りの柔らかい豚は大変に美味しかった。ネギが乗っていることに、かすかに「沖縄そば」としての矜持を感じさせた。別に量がすごく多いわけではないので、天地返しをせずに穏やかに食べることのできるそばであった。

このフクギ屋の正面は、かすみ・ランジュ・ランジュ母のカットが撮られたシーンである。

「フクギの里宣言記念碑」はランジュ親子の和解のシーン。ランジュ母は何の気なしにこの右側にリムジンを止めていたが、実際のところこちらはほとんどいつも満車。良く止められたな、という印象が第一。

両方にちゃんやーがあってどっちがどっちだか分からん、と思い写真を撮ったが、本稿執筆にあわせ事後学習をしたところ、運営母体は同じであることが分かった。

赤嶺天と石嶺小糸が仲直りする、作中でも重要なシーンはこちら。

お ま た せ
い つ も の
実 家 の よ う な 安 心 感

あっここかぁ〜〜〜〜〜!!!!ってなりましたね。百聞は一見に如かず、です。この備瀬集落のフクギ並木ですが、似たような場所がたくさんあり実際の場所を訪れるのが結構難しいです。筆者もこちらのサイトこちらの同人誌を参考にし、やっと現地を訪れることができました。

海岸から備瀬崎を望む

今回の沖縄旅行のもう一つの目標として、実は「息苦しい日々の生活から一旦離れ、自然を満喫する」というものを置いていた。前半のプロ野球キャンプは人も多く行列があり、(それはそれで野球ファンとしては楽しめるのだが)息苦しい生活から離れきったとは言いづらかった。他方、この備瀬を訪れたことで、自然と南国の島の雰囲気を十分味わうことができた。未舗装の道路も数多くあり、さながらタイムスリップした感覚を得られた。ただ、ここで暮らしている方々は不便さを感じているのだろうか、という感覚は頭の片隅に生じた。

備瀬集落はいわゆる映えスポットとしても有名なようで、この日も大学生と思しき若者が多数訪れていた。これらの若者は現地で電動キックボードを借り、フクギ並木を周遊していた。まさか沖縄の先っぽも先っぽでL○○Pを見ることになるとは思わなかった。

この備瀬では、「備瀬のあそびば」にて紅型染め体験に挑戦した。こちらは、虹ヶ咲とのコラボ企画で、3月31日までの限定で映画タイトルロゴの入ったエコバッグを、沖縄伝統の染色技法である「紅型染め」にて作成する体験ができるものであり、地元の新聞にも取り上げられている。LINEで予約したのだが、担当者と直接やり取りできるとは知らず、botだと思い対応したら、表示が「担当者が返信しています」となり少々驚いた。

入り口。何かのロケ地マップが見えますね。
ファンが置いて行ったというグッズも。

「紅型」の詳しいところは別途専門のサイトを見ていただくとして、ざっくり言えば「マステを切り抜いて文字を作ってる」感じである4。予め、染色部分を反転した糊を貼ったバッグが用意されており、こちらに染料を塗り付けていく。

染料は実に現代的で、粘度低めの沖縄伝統色が数色と、それとは別に京都から輸送してきた現代的な原色の染料が10色程度。大ざっぱには、定着剤「オキザール5」を先が平たくなっている専用の筆に取り、染料に混合したうえで筆を回しながら練り込むように布を染色していくといった工程になる。この工程説明動画のBGMが「Cara Tesoro」であり、まさにこの中庭がロケ地となった楽曲であるのでコラボ企画として徹底していると思った。

だいたいこういうのは悩んでしまうのが筆者の性なのだが、ここは「ヒトリダケナンテエラベナイヨー!!!」ということで、ロゴに全メンバーの色を採用しようと考えた。
が、これが大変な苦労を産むことになった。

上記の画像に達するまで1時間20分かかりました。

同行者はふつうに映画ロゴを再現していたので20分もかからず終わり、かなり待たせてしまって、申し訳ないことをしてしまった。

色の選定は、「虹ヶ咲学園」をグループカラーである黄色近似の沖縄伝統色、「ラブライブ!」を赤色近似の伝統色、「映画」は何となく朱色。「完結編第1章」は、青と濃青を併用し、紹介のあった「濃い色を後から塗り込み、何も付けていない筆でこすることでぼかしを表現できる」技法に挑戦。
そして「スクールアイドル同好会」の文字に、左から順にメンバーカラーを配置した6が、ここが最も難しかった。なにせ色の合成が必要になるからだ。
初手でランジュに挑んだが挫折、なんかせつ菜っぽくなったのでそのまま塗り。その後は成り行きと勢いで合成。3枚前ぐらいの画像に色見本があったが、これはシーサー絵付け用。こちらの染色はカットアンドトライでやるしかなかったのだ。一番簡単だったのは、沖縄伝統色の黄緑色を若干薄めればよいエマさん。その次は果林→それをさらに薄めるしずく。逆に難しかったのがミア。まず、璃奈を、白にわずかに黒を混ぜることで実現。さらに、ミアはこれに茶色とオレンジをわずかに混ぜることで、プラチナシルバーを何とかして実現した。最近のマイブームはミアテイラーさんなので、この色をロゴの左右の▼マーク、そして著作権標記にも採用した。

ランジュは最初作った時にはかなり苦労したのだが、白色、薄め液を併用しつつ赤に茶色・紫を混ぜることで、気付けばあっけなく実現できた。残りのメンバーは、色の大胆な混合をするよりも、薄め液・白色の併用で、近しい色を実現した。

染色が終わったらドライヤーで塗料を乾燥。その後、お湯に浸けることで糊がやわらかくなりはがれる…はずだった。

が、10分とちょっと漬けても見た目はあまり変わらず。「これははがすの大変だと思いますが、とりあえずやってみましょうか!」とのスタッフの声を受け、次工程の流水で流しながらスポンジでこする部分に移った。

流水がそれほど冷たく感じないのも沖縄のいいところ。一生懸命こすってるうちに、文字が浮き出てきた。

完成したバッグがこちら。多少ムラっけやはみ出しがあるが、鮮やかに仕上がったので満足している。乾燥にかなり時間がかかるので、その間に周辺を散策した。

こちらはCara Tesoroのステージの背景である。石造りの構造物はかつて豚を飼っていた名残であり、これもMVに再現されている。

本当にそう思ってる?

作中では、備瀬のあそびばを含む、よんなー備瀬一帯が「民宿はいさい」という、天の実家として描かれていた(内装は異なる)。3日前ぐらいの記事にも書いたが、ここから宜野湾まで通学するのはさぞ難儀であったろう。

こちらは散策しながら、赤嶺天とエマ・ヴェルデの軌跡を感じることができる土地であった。ただ、ライブ後に、ざっと50人近くの客がいたようだが、どう見てもそこまで入る土地ではないとも思った。

また、待ち時間に「okinawasun」のスムージーも頂いた。

こちらは中須かすみが紹介していたスムージー店で、アクリルスタンドも置いてあった。

筆者もスペシャルスムージーを頂いた。南国フルーツの甘みが口の中いっぱいに広がり、塩気のある食事が続いた中で丁度よい箸休めになった。

乾燥待ちの間にスタッフさんと色々お話をすることができた。割と人気の企画らしく、スタッフさんも訪れたファンに色々と布教をされているようであった。定番の「どこから来られたんですか?」から始まり、推しは誰ですか?→(1章にいないけど)ミアちゃんです!!ミアちゃんだからここの色こうしたんです!!と話してみたりした。「この子たちの高校じつは宜野湾で、なかなか通学大変そうですよね」、「本部高校だと思ってましたw」などと、気さくに話せる方であった。

そして、「ブルーレイは見ましたか?」との質問。特典映像にて当地が登場しており、実際に声優さんと写真を撮ったりしたとのことで、その写真や動画も見せてくださった。今回の体験の場所でメイク直しをしたなど、貴重なお話を伺うことができた。あいにく、沖縄に発つまでにブルーレイを見ることはかなわなかったが、この話を踏まえたうえで帰還後にブルーレイを見ることで、旅行の思い出を増強することができた。

塗装もされていない選挙ポスターは珍しいと思う。

ある程度水気の取れた16時過ぎに、スタッフのお兄さんにお礼を言い備瀬を離脱。引き続き、日本で一番早く桜が見られる、今帰仁城跡へと向かった。

ここ今帰仁城跡は、日本で一番早く桜(カンヒザクラ)が見られることで有名な観光地であり、沖縄スターターキットの一つともいえる。えいがさき作中においては歩夢が「満開だよ〜」と言ったシーンに使用されている。

が、あまりにも桜が早すぎて、2月2週目ではすでに散りかけ、葉桜になりかけであった。

城だけあり、高いところからの眺めは素晴らしかった。石垣の曲線的な作りは、内地の城ではあまり見られないと思ったが沖縄に特有なのだろうか。建物は一切残っておらず、まさに城であった。

時刻は17時半を回り、予約してあった夕食場所である名護市の「ゆきの」へ。こちらも居酒屋-likeに、色々な沖縄料理を食べられることを期待した。駐車場がなかったので、キャンプ終わりで空いている近隣の公園の駐車場へと停めた。

今回は訪れていないが、名護は日本ハムのキャンプ地である。

向かいのオタクは涼本あきほのTwitterを見ている。

あぐー豚ギョウザ、沖縄風(沖縄そばの麺を使った)焼きそばなど様々な料理を頂くことができた。クオリティとしてはあくまで居酒屋であるが、それがゆえんに、家庭的な夕食を味わうことができた。また、ノンアルコールのオリオンビールがあったのも発見だった。オリオン・ザ・ドラフトは内地でもふるさと納税などで手に入るが、ノンアルコールはまず内地では見かけないと思う。

そして近隣の集団の元気が良く、その意味でも居酒屋-likeであったといえる。初日に知人が言っていた、「沖縄で一生暮らし続けるかは分からない」という言葉の意味するところを、少しは分かったかもしれない。

食べ終わったあとは、古宇利島など、北半分をドライブし宿へと戻った。長い橋を渡る体験は良かったが、夜間帯の街灯のない道路は、背の高いサトウキビに囲われていることもありひどく殺風景であった。えいがさき作中に登場する夜の瀬底ビーチの予習もしたが、これも街灯がなく、特に何も感じられなかった。

  1. けっして、連続更新に疲れて面倒くさくなったわけでない。本当だよ。 ↩︎
  2. かりゆし水族館も、2フロア構成で、2階から1階に降りる順路構成 ↩︎
  3. コナンの映画が「ジャンル: アクション」になるのと似ている ↩︎
  4. 装飾担当にしか伝わらない表現 ↩︎
  5. たぶん主成分はシュウ酸アルデヒド[CAS: 107-22-2] ↩︎
  6. ここで侑ちゃんは濃いめのグレーとし、歩夢の隣に配置した。(「ス」の2画目) ↩︎

最終日: 南下しながら聖地をたどる→


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