虹ヶ咲学園コラボ電車を模型化する 〜①種車の収集〜

先ほどのAJでのステージの情報量が多かったのをYouTubeで観測しながらこの記事は書いている。

昨年の12月24日から今月末まで、トウキョウリンカイコウソクテツドウリンカイラァインことりんかい線にて、「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会コラボヘッドマーク」を掲出した電車が運行されている。

虹ヶ咲学園コラボHM, 2023.02.21 十条–板橋間にて筆者撮影

せっかくライブを2回観に行ったこともあり、期間限定であるこのコラボ電車を手元に残しておくべく、今回模型化に挑戦することとした。

模型化の障壁–初期車と後期車の違い

さて、りんかい線の車両である「70-000形」については、ほぼ現在の仕様(走行機器更新済み・ATACS対応済み)で、東臨運輸区Z7 – Z10編成(以下、Z○編成と表記)をプロトタイプとしTOMIXが製品化している。品番は98288,98289→リニューアル後98763,98764である。また、機器更新前の仕様としては、Z3編成およびZ7編成をマイクロエースが製品化している。品番はそれぞれA3881,A3882とA7651,A7652である。さらに、A3881,3882については窓開閉化工事前の仕様である。

一方、今回のコラボ電車であるが、ヘッドマーク掲出がなされたのは、Z2編成である。詳しい編成表や編成の変遷については多くの鉄道系Webサイトに記載のあるところであるが、上記の製品のどれも、そのまま車両番号を変更しただけではZ2編成にはなり得ない。まずTOMIX製品については、いわゆる「後期車」であるので、Z2編成とは各所に仕様の違いがあるのだ。仕様の違いについてもさまざまな鉄道系Webサイトに記載のあるところであるが、模型化するうえで目立つ点は以下が挙げられる。

  • 前面および側面のTWRロゴマーク / 後期車には「りんかい線」の文字が入る
  • 屋根上ビード(梁)の太さ・本数および、ランボード端部の処理が初期車と後期車で異なる
  • 初期車のパンタグラフ搭載車には、2つ目のパンタグラフの撤去跡が存在する
  • (ドア窓の押さえ形状が異なる)→検査で入れ替わることがあるらしい?
2023.3.4 東臨運輸区(敷地外から撮影) 前面ロゴマークの違いが分かる.

2023.3.28 大井中央陸橋にて。手前は初期車・1号車(70-029)、奥は後期車、2号車(70-028)。ビード本数の違いが分かる。
2023.3.28 大井中央陸橋 奥側に見えるのがパンタグラフ撤去跡。9号車(70-021)。

(2023.4.30 第2回執筆のついでに画像を差し替え)

では、前期車製品であるマイクロエース製のZ3編成を種車にすればよいのかというとそうでもなく、マイクロエース製のZ3編成は機器更新前・窓開閉化改造前・ATACS設置前であるうえ、組み換えの過程から、含まれている初期車の位置・数が異なっているのでそのままでは使えないのだ。Z3編成は1・5・6・10号車のみが初期車であるのに対し、Z2編成は1・5・6・8・9・10号車が初期車であるのだ。以上から、Z2編成の模型化は一筋縄では行かないことが分かる。

ではどうするのか

無いものは作るしかない。

とはいっても現実的に可能な加工には限界があるので、それを踏まえ、まずは中古品で車両の収集をした。結果、以下の車両をゲットした。

1.マイクロエース製Z3編成から70-030,034,035,039 (10・6・5・1号車)のジャンク品

マイクロエース製Z3編成 70-030,034,035,039

入手元:ポポンデッタ
70-030 1,650円 ライト問題なし
70-034 1,100円
70-035(M) 2,750円 モーター問題なし
70-039 1,540円 ライト問題なし、信号炎管欠損

いずれも貴重な初期車プロトタイプの商品、状態もほとんど良かった。

2. なんだか怪しい改造品のりんかい線

怪しいりんかい線①
怪しいりんかい線②

入手元:ポポンデッタ
パンタグラフ付き車:880円×2両
パンタグラフなし車:880円
備考:種車は209系だと思われる。床下はGTO-VVVF仕様。

3. TOMIX 98289 りんかい線70-000形増結セット(旧製品)

TOMIX 98289

入手元:ヤフオク
6両セットで7,520円

4.その他小物

小物類

・TOMIX JA0031(E233系用アンテナ)
入手元:IMON、176円×2箱=352円
・世田谷総合車両センターインレタ各種
 ・168 りんかい線側面車番インレタ
 ・099 前面編成標記インレタ(りんかい線)
 ・169 りんかい線側面標記インレタ
 ・193 りんかいロゴインレタ
入手元:直販通販 各880円×4 – Yahoo!クーポン800円+送料188円=2908円
・ジオマトリックス セミカスタムステッカー
 「87 新木場/りんかい線直通」「81 東京テレポート/りんかい線」
入手元:直販通販 990円+送料200円(実際は別のステッカーも買ったので実質半分の100円)=1090円

ひとまず以上のものを仕入れ、しめて現状で21,373円。これらを元に、改造を進めていく。

必要な改造メニュー

1号車(70-029)・10号車(70-020) 種車:70-039, 70-030
・信号炎管修復、列車無線アンテナ交換
 →パテで穴埋めしたうえでTOMIX JA0031を使用
・ATACSアンテナ設置
 →TOMIX JA0031および真鍮線等で配管作成、要追加取材
・ヘッドマーク貼付
 →写真からトリミングするか、実は購入したアクリルプレートを撮影しステッカー化
・車番変更、ベビーカーマーク貼付
 →薄め液で落として、りんかい側面車番インレタ・標記インレタ等使用 クリアーコートでの保護を忘れずに
・窓開閉化
 →マスキングテープでしっかり直線出して窓に色差し、要追加取材
床下はある程度似ているので今回は妥協。時代考証の関係からベビーカーマークは追加が必要。

2号車〜4号車、7号車(70-028,027,026,023) 種車:TOMIX増結セットのうちMユニット1組・T車2両
・車番、号車番号、ドアコック上下矢印標記、所属標記
 →りんかい側面車番インレタ・標記インレタ、手持ちの号車番号インレタ、等使用
  クリアーコートでの保護を忘れずに
この4両はZ2編成に含まれている後期車であるので、TOMIX製品を無加工で使用できる。とはいえTWRロゴ以外何も入っていないので、必要なインレタを転写する。

5号車(70-025) 種車:70-035
・車番変更
 →薄め液で落として、りんかい側面車番インレタ使用 クリアーコートでの保護を忘れずに
この車両はSIVなし・パンタ無しモハ(※某有名編成表サイトにはSIVありって書いてあるけど、写真・動画を見る限り他のパンタ無しモハより床下スカスカだからSIVないんじゃね?)である点も含み、床下は妥協。そもそもマイクロ製動力車なので、更新後の床下にするなら、TOMIXのE233とか持ってくる必要があるが、さすがに予算が。

6号車(70-024) 種車:70-034
・車番変更
 →薄め液で落として、りんかい側面車番インレタ使用 クリアーコートでの保護を忘れずに
・床下更新
 →別途エポスポイントにてポポンデッタから入手した相鉄11000系の床下と振替
この車両は、初期車特有のダブルパンタモハであるので車体はそのまま利用。車番変更、床下の変更のみで適合できる。
・パンタ交換
 →TOMIX製のPS28が後述の加工で余り、マイクロ製よりも表現が優れているので交換可能ならば交換。

とここまではまだ加工は難しくなくて。

8号車(70-022) 種車:TOMIX増結セットのパンタ無しモハ
・車番、号車番号、ドアコック上下矢印標記、所属標記
 →りんかい側面車番インレタ・標記インレタ、手持ちの号車番号インレタ、等使用
  クリアーコートでの保護を忘れずに
・TWRロゴマーク変更
 →薄め液で落として、りんかいロゴインレタを使用、クリアーコートでの保護を忘れずに
・屋根の交換
 →怪しいりんかい線のサハから屋根を持ってきて、モハの余り屋根と切り継ぐ。余裕があればラジオアンテナ準備工事も表現?

この車両は初期M車にしなければならない車両なので、屋根を交換する必要があるため加工が大変。さらに、209系と異なり70-000形はラジオアンテナがないので、その分の表現を撤去しなければならず、屋根の切り継ぎが必要となるのだ。

そして問題の最後。

9号車(70-021) 種車:TOMIX増結セットのパンタありモハ
・車番、号車番号、ドアコック上下矢印標記、所属標記
 →りんかい側面車番インレタ・標記インレタ、手持ちの号車番号インレタ、等使用
  クリアーコートでの保護を忘れずに
・TWRロゴマーク変更
 →薄め液で落として、りんかいロゴインレタを使用、クリアーコートでの保護を忘れずに
・弱冷房車インレタの貼付
 →クリアーコートでの保護を忘れずに
・屋根の交換
 →怪しいりんかい線のモハ2両から屋根を持ってきて、ビードの切れ目で切り継ぎ。うち片方は配管を全部撤去しパンタ穴を塞ぎ、70-024の屋根に倣い配管を作成。

この車両は初期M車のパンタ車にする必要があるので、屋根の交換と、パンタグラフ撤去跡の再現が必要。ただ切り継いだだけでは、配管の向きも逆になってしまうために、その点もあわせて加工しなければならない。かなり難易度は高くなるのではないか。

今後、以上の加工を順次進めていき、ブログに記録することとしたい。作業時間が取れるか分からないので、次回記事の掲載日は未定。

余談:行き先ステッカーの選定について

ジオマトリックスのセミカスタムは好きな運用・行き先を選べるが、筆者が選定したものについてのメモ。

87 新木場/りんかい線直通

改正前後のどちらでも見られる、比較的ありふれた行き先を選定。
改正前平日ならば886S, 1286F, 1986K、土休日ならば886K, 1186F, 1486F, 1786F, 2286K。改正後平日ならば1686K, 1986K, 2286K、土休日ならば986F, 1286F, 1686F, 2286K。なお快速(末尾F)や通勤快速(末尾S)であっても赤羽以南では種別表示がなくなり各駅停車と同じ表示になる。12月24日の運用初日や、2月4日、「A・ZU・NA LAGOON」Day1はこの運用であった。

81 東京テレポート / りんかい線

改正前後、平日・土休日共通で2480T 大崎発東京テレポート行きの終電車1本前の電車。テレポートって行き先かっこいいよね、という理由で選定。

2023.2.12 (2.11終電) 大崎]

次→後期車の整備



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