りんかい線70-000形Z2編成を作る② 後期車の整備

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かなり間が空いたが、今回から実際の製作過程をレポートしていく。そういえばスクスタがサ終しますね。大丈夫か虹ヶ咲。私はスクスタやってないけど。
まずは、前回記事で紹介した車両のうち、ほとんど無加工となる2号車・3号車・4号車・7号車(70-028,027,026,023)を整備する。
整備内容は以下である:

2号車〜4号車、7号車(70-028,027,026,023) 種車:TOMIX増結セットのうちMユニット1組・T車2両
・車番、号車番号、ドアコック上下矢印標記、所属標記
 →りんかい側面車番インレタ・標記インレタ、手持ちの号車番号インレタ、等使用
  クリアーコートでの保護を忘れずに
この4両はZ2編成に含まれている後期車であるので、TOMIX製品を無加工で使用できる。とはいえTWRロゴ以外何も入っていないので、必要なインレタを転写する。

インレタは前回紹介した通り、世田谷総合車両センター製の
・168 りんかい線側面車番インレタ
・169 りんかい線側面標記インレタ
および、号車表示として筆者が在庫していた
・494 号車表示インレタ 汎用
また優先席標記として、銀河モデル製の
・N584 優先席表示 通勤・近郊型用(裏張タイプ)
より、新デザイン優先席表示を利用した。

TOMIX純正のいわゆる「座布団付き」インレタと異なりサードパーティーインレタははがれやすいので、貼付後クリアーコートを吹く必要がある。そこで今回は車両を分解の上インレタを貼付けた。

まず車両を足回りとボディに分解した後、ボディ内部の爪を押し込むことで、屋根とボディを分離した。中央部の突起(赤色①)を押し込むと屋根が浮くので、屋根とボディの隙間を維持しながら②→③→④→⑤の順で爪を外す。すると片側が完全に浮くので、反対側も取れる。続いて、窓ガラスを外した。車端部を黄色部の爪の外側に持っていった上で、中央の窓を押し込むことで外すことができる。いずれもパーツに負荷がかかるので、細かい力加減が重要であり難しい。

図1.屋根の取り外し箇所

取り外しが完了したら、実物写真を参考にインレタを粛々と貼付していく。場所決め→メンディングテープで仮止め→転写→台紙とテープをはがす、という基本に則った張り方となる。ポイントは

・ドアコックは中央部、新木場方(10号車、70-020側)にあり、これが全ての基準となる。
・ドアコックには上下両方向の三角矢印を張る。この際、取っ手の墨入れに相当する細黒線を車体のモールドにあわせる。
・号車番号は川越方(1号車、70-029側)ドアの車端部側、上端を3人掛け席の窓の上端に合わせる。ドアからは1mm弱空ける。水平をしっかりとらないと違和感が出やすい。
・所属標記はどちらの側面も、向かって左側の車端部。標記の左端を窓のカーブの真ん中ぐらいに合わせる。
・車番は中央、ドアコック中央が車番の上端になるぐらいにする。
・エンド標記はどちらも新木場方。右側に来る面は①、左側に来る面は②になる。が正直読めないので、そこに何かあるぐらいのテンションで転写。横は端から1mm、下はボディの段差から1mm程度の感覚。

である。筆者は号車番号をミスりまくったので、何個か無駄にしてしまった。またドアコック標記もズレが発生しやり直すことが多かった。幸いこれらのインレタには予備が多かったので作業不能にはならなかった。

インレタを張り終わったら、適当に余ったウレタンに車両を内側から仮止めし、ウレタンを持ち手のようにしたうえで、クリアー(GM44)を軽く片面3〜4回ずつ吹いた。

図2.クリアーを吹いた跡。車両中央部の下から伸びているウレタンを持ち手のように使いクリアーを吹くと捗る。全体としては金槌のようなT字の形になる。

そして、乾燥待ちの間にガラスパーツに優先席標記を貼り付けた。りんかい車は車端部の区画がすべて優先席となっているので、1両に4ヶ所貼り付けた。また、あわせてパンタグラフの避雷器の差し込みなど軽い作業を済ませておく。

あわせて足回りでは、アーノルドカプラーをKATOカプラー密連形に換装した。TNカプラーの方が連結面は狭いのだが、高価であること、またいわゆる「ロン」のリスクが高いことから採用していない。連結面の広さについて多少の妥協はあるが、低コストで見た目は良くなるので、筆者は基本、電車のアーノルドカプラー(主にTOMIX, GM)はKATOカプラー密連形に換装することにしている。

図3. アーノルドカプラーへの換装

ここの換装は難しくなく、精密マイナスドライバーを金属パーツ(左下に写っている)との隙間に挟みこじ開け、アーノルドカプラーおよびバネを撤去したうえでKATOカプラー密連形 TypeAを押し込むだけである。偶然の産物なのか、寸法がぴったりハマるので難なく換装できる。最後に金属パーツを元に戻すと完成となる。

ここまでの作業が完了した状態の図を、次に示す。

図4. 作業完了した状態。机が汚い。

ここまでの作業が完了した状態を図4に示す。続いて、ある程度の塗料の乾燥を待った後に、分解時の逆順で車体を組み立てる。組み立て完了後に、ジオマトリックスのセミカスタムステッカーで発注しておいた行き先表示を貼り付ける。今回は2つ用意したうちの「新木場」とした。テレポートもかっこいいんだけどね。また、あわせて室内灯を組み込む。

ここで、室内灯は自作品を使用する。構成は以下の通りである。
1. 黒いアクリル板(0.5t)を8 mm×10 cmに切る。
2. その上に、白色LEDテープを切断し、2ユニット分(10 cm)を貼付ける。筆者はこれを使っている。
3. 続いて、足を加工したダイオードブリッジを、LEDテープ上の銅箔にハンダ付けする。ダイオードブリッジはこれを使った。
4. 太さ0.03 mmの銅の針金を、紙やすりで磨いたうえ精密ドライバーに16回巻くことでバネを作る。この際、ダイオードブリッジのハンダ付け用に先端を少し残しておく。紙やすりで磨いておかないとハンダが乗らない。
5. バネとダイオードブリッジをハンダ付けする。

図5. 自作室内灯

以上のようにすると、図5に示したような室内灯が完成する。ちなみに概算で1両35円ぐらいで済む(※1)のでメーカー品の1/20(※2)ぐらいのコストで済む。

※1アクリル板 300mm × 300 mm 90両分 600円→1両6円
 LEDテープ 5m(50両分) 680円→1両14円
 ダイオードブリッジ 100個640円→1両6円
 針金 200円ぐらいだった→たぶん使ってる長さ的に5円ぐらい
 その他ハンダ関係の装備品や光熱費など 4円ぐらい?
 合計 35円ぐらい

※2TOMIXの室内灯が6両セットで4,488円(首都圏の2割引模型店を想定)なので、1両748円

これを両面テープで車両屋根の内側に貼付け、接触を調整しながら何度かボディと足回りを組み立て直すことで、作業は全て終了となる。が、この接触の調整、また屋根から室内灯が床に落下しないようにすることなどがなかなかくせ者であって時間がかかる作業となる。

以上が完成すると、以下の図のようになる。

図6. 完成形(4号車・70-026)

これをもって、ほぼ無改造で済んだ4両の整備は完成となる。

次→初期モハユニットの整備


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