りんかい線70-000形Z2編成を作る④ 先頭車の加工

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続いて、両先頭車の整備に入る。先頭車はやることが多いので、まず下図のように足回り・先頭部・ボディで分解する。さらに先頭部はFRPパーツ・ガラス・方向幕の導光部に分解する。

図1. 分解中の様子

足回りを外した後、窓ガラスを外すと導光部(図中央下側の黒いパーツ)が取れる。そのあと、先頭のFRP部を、車両腰部のツメを押し込むことで外す。さらに先頭部からは、ていねいに窓ガラスを車両外側に押すことで取り外すことができる。順に各部の整備を示す。

足回り

前回記事と同様にカプラーを交換した。加工は以上である。

窓ガラス

こちらも、前回記事と同様に、優先席表示を貼付のうえ、GMカラー10番の黒色をマスキングのうえ爪楊枝で塗布し開閉化窓を再現した。先頭車であっても、車体外側からみて右端の窓が開閉化されている。

先頭部

ある意味本編成一番の目玉がこの部分である。まずは車番の変更である。例によってMr.カラーうすめ液で車番を剥ぎ、世田谷のインレタで車番を張る…のだが、下図のように黒色部分が弱く剥がれてしまう。そこで、同様にGMカラー10番およびサインペンでレタッチし修正した。

図2. 黒色部分が剥がれてしまった。

続いて行先表示とヘッドマークの貼り付けに移る。ガラスを取り外したのち、編成札シールを左側運行番号表示器の下部に貼り付けた上から、行先シールを貼り付ける。この際、うまいこと開口部の中央にそれぞれの表示が来るように微調整をする。
またヘッドマークは、東京テレポート駅にあったイラストの写真を切り抜き、高さ3.9 mmに縮小の上シールに印刷、貼付した。

図3.東京テレポート駅のポスター。

iPhoneのカメラの画質であっても、Nゲージサイズへ縮小するには十分な解像度であった。3.9 mmは少し大きかったかもしれない。またガラスパーツを外した段階で、ATACS ID (ID-72) のインレタも転写しておく。完成品を図4に示す。

図4. 完成した先頭部

若干画質が荒いが、一般化知恵のプリンターではこれが限界。雰囲気は出ているのでいいのではないだろうか。そして今回の製作記事唯一の虹ヶ咲要素。

ボディ

今回の記事1番の山場がボディ。そして、しくじって2ミスしたのもボディ。つらい。
ボディは、ATACSアンテナおよび配管を再現するため、穴あけが必要となる。また、アンテナ類をTOMIXの製品で統一するため、もともと存在していた信号炎管および列車無線アンテナは撤去した。TOMIXのアンテナは穴径0.5 mmでありマイクロエースのそれよりもかなり小さい。よって、アンテナ撤去後にタミヤのパテを用い穴を埋め、GMカラー9番でレタッチしたうえで、元々の穴の中央に0.5 mmの穴を開けることとした。また同様に、妻面側のラジオアンテナ準備工事部の穴も埋める。また妻面にもATACSの配管用の穴を開ける。この際、マスキングテープなどを利用し屋根と穴の位置が枕木方向にずれないようにする。したはずだったんだけどな。(後述)
今回の加工における、位置および穴径などは下図のようになる。妻面側の配管は、1号車と10号車で左右が異なる(いずれも海側になる)一方、運転台側の配管はいずれも先頭に向かって右側であることに注意する。また記載の寸法は前面FRPパーツを外した場合である。なお穴位置については実車写真等を参考にしながらちょうどよく見える部分を探ったものであって、必ずしも実車に基づいてはいない。

図5. 穴開け位置。※本画像を参考にして作業をした場合の責任は負いません。

穴開けを行ったのちに、車番表記の修正を行う。これは前回記事と同様に、うすめ液で車番およびドアコックの印刷を剥がし、世田谷のインレタに張り替える。先頭車は、加えてベビーカーマークを貼り付ける必要もある。ベビーカーマークは、手持ちのTOMIX製の余剰品を用いたが、若干印刷済みの車椅子マークと色味が違った。余談ながら、ベビーカーマークの有無は2015年前後を境に変わる。したがって、2023年の仕様を再現する今回は必要であるし、逆に横浜線の駅スタンプは2015年ごろに順次撤去されたため基本的にベビーカーマークとは両立しないのである。優先席ステッカーの新旧もおおむね同じ時期で入れ替わる。その後、クリアーを吹く。クリアーを吹いた段階でちょっと失敗して、そのリカバリーをミスってしまった件は後述する。結構ショックだった。続いてクリアーが乾いた段階で、ゴム系接着剤で信号炎管、列車無線アンテナ、ATACSアンテナを固定した。ATACSアンテナについては、アンテナ固定用の突起が中心にないものを先頭側に、中心にあるものを妻面側に用いる前提で穴の位置を決めた。以上までを完成させた結果を図6に示す。

図6. アンテナの設置まで終わらせたところ。

今回の記事の本編はここまで。次回、ついに配管のパイピングへ。
以下、今回のしくじり、前回の補遺を記す。

しくじり①:妻面の穴の位置を間違えた

本来妻面の穴は、枕木方向の位置は屋根の穴と同じでなくてはならない。そこでマスキングテープを利用し屋根の穴の位置をそのまま取り出そうとしたのだが、屋根が湾曲しているためにマスキングテープが曲がってしまったことに気づかず、そのまま穴を開けてしまった。幸いすぐ気づけたので、正しい位置に穴を開け直した。正しくない位置の穴はタミヤパテで埋め、GMカラーの8番で部分的にレタッチすることで、ギリギリ見れる程度にはなった。

図7. しくじりと修正痕

しくじり②:クリアーのダマのリカバリ失敗

正直こっちはかなり痛い。状況は以下だ。

まず先述の手順に従いクリアーを吹いたところ、クリアーが側面でダマになってしまった。そこで通常ならピンセットでつまむことでダマを取ることができることを思い出したので、ピンセットでダマを取ろうとした。ところが、クリアーが下地のステンレス色ごと持っていってしまったので、GMカラーの8番で修正した。その修正の跡が目立つので数回修正を繰り返し、結局ガンダムシルバーのペンを用いることにした。順調に修正できたかに思えた次の時、ペン先を押し込むことにより出てくる塗料の量が想像以上であったため、幕板部の帯および屋根にはみ出してしまった。ガンダムシルバーはアルコール系であったので、同じアルコール系のウェットティッシュで即座に拭き取ったところ、屋根はある程度修復できたものの、今度は幕板部の帯ごと持って行かれてしまった。

最終的にかなりまずい状況になってしまったので、結局どうしたかというと、まず幕板部の帯以外をマスキングして、近似色であるFARBEの青22号をスプレーした。その後マスキングを剥がし、色の違いを修正するためにFARBEのディープブルーを混合し、爪楊枝により帯にレタッチした。ステンレス地の部分は、結局ガンダムシルバーをそのまま活かすことにした。結果、帯が多少厚みのある塗装になってしまい、結構眺めていると目立つ結果になってしまった。また再マスキングの段階で、保護用のクリアーを吹いたにもかかわらず、ベビーカーマークと車番の一部が剥がれてしまったので、余剰品を用い貼り直した。車番は、別車両から”9″の文字を持ってくるなどした。修復結果の画像を以下に示す。

図8. しくじり修復後

うーん。遠目に見れば&写真写りの状態からはギリギリ許せなくもないがやっぱり目立つよなあ。萎え。いっそ全部塗り直したほうがいいのかしら、うまく行く気はしないけど。とりあえずこれで進めるしかないので。

補遺:マイクロエース社製車両への室内灯組み込み

基本的にはTOMIX製と同じだが、屋根から室内へ張り出している突起を避ける必要があるので、ダイオードブリッジの足を長めに取ることと、突起にあわせた切れ込みをアクリル板に入れる必要がある(図9・10)。また5号車については、車体にかかる負荷の観点から、前回記事よりさらにボディの裾、黒色整形の床下パーツの幅を削った。そのため車体が室内灯のバネ圧で浮くようになってしまったので、両面テープあたりで固定をしようと考えている。

図9. 室内灯の加工

図10. 組み込み例

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